日本古生物学會報告・紀事 新編
Online ISSN : 2186-0963
Print ISSN : 0031-0204
ISSN-L : 0031-0204
600. 北部北上山地より産した紡錘虫化石 Colania douvillei (OZAWA) について
崔 東龍
著者情報
ジャーナル フリー

1972 年 1972 巻 86 号 p. 369-374_1

詳細
抄録

北部北上山地よりは紡錘虫の産出報告は極めて少なく, Neoschwogerinidsに関しては, Neoschwogerina sp.及びYabeina sp.が数ケ所から知られているのみである。筆者が下閉伊郡花輪村北川目付近にて化石採集中Colania douvillei (OZAWA)を採集したのでここに記載をする。北部北上山地産の紡錘虫としては最初の記載である。Colania douvillei (OZAWA)は, 中部ペルム系上部を指示するよい標準化石となっている。日本で知られる限りでは, Neoschwagerinidsとしては, 岩手県北部の大平沢鉱山(Neoschwagerina craticulifera? を産する)と共に最北端の産地の一つである。また, 南北両北上山地が, Cancellina-Minoella-Colania-Lepidolina bioseriesで特徴づけられる紡錘虫生物区に属する事がいっそう明らかになった。

著者関連情報
© 日本古生物学会
前の記事
feedback
Top