1975 年 1975 巻 100 号 p. 177-187
上部中生界非海成層である韓国慶尚層群洛東亜層群から多産する二枚貝を研究し, 新属Nagdongiaを設けて記載した。これはかつて鈴木がNakamuranaia chingshanensisとして記載したものと外形は似るが, 内部構造は鈴木の記載と合わず, また中国産のLeptesthes chingshanense GRABAUの記載とも合わない。筋こんと〓歯等はむしろNippononaia, Wakinoa, Plicatounioと類似するが, これらの属とは表面装飾で区別される。それらの他に, 現生のものとしてアフリカ産のCaelatura (Laevirostris) bourguignati (ROCHEBRUNE)及びC.(Zairai) elegans (ROCHEBRUNE)が〓歯の数と配列において本属との類似性を示している点が注目される。