2001 年 2001 巻 22 号 p. 78-93,109
Carson McCullers(1917-1967)の中編小説であるThe Ballad of the Sad Cafe(1)には彼女の一方通行における愛に対する考えが最もよく表れている 作品である. また, 愛することに伴う孤独についても, 私たちはこの作品からMcCullersの孤独に対する深い理解を窺い知ることが出来る. 本論では, 作品中にみられる愛と孤独について考察したい. まず, 登場人物の持つグロテスク性の意味について考察し, 次に, 作品中で述べられているMcCullersの愛の理論について考えたい.