鎔接協会誌
Online ISSN : 1883-7190
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軌條のフラッシュバット熔接に就て
三浦 春信
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1940 年 10 巻 9 号 p. 331-338

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抄録
軌條熔接の方法には種々あり,それ等各々の熔接に就てはそれぞれ特長あるものである.これ等の各項に就て論説することは省略する.茲ではフラッシュバット熔接に依る軌條熔接部が如何碗なる機械的諸性質を有してゐうかを發表する.
軌條熔接部の機械的諸性質の充分であると云ふ限界決定は非常に困難な事である.然し非熔接母材たる軌條との比較より充分使用出來るかどうかを判定すべきであらう.
本論文に於ては先づフラッシュバット熔接作業方法を述べた.本試驗機は300kVAフラッシーバット熔接機にて15kg軌條熔接を行つた.この場合1箇所の熔接時間1分間程度,1.7kWhの電力を消費する.熔接部抗張力は規格に合格する程度である.衝撃値は母材部に比し稍遜色を認める.硬度及び組織に就ても論旨を進めた.
本試驗の主要目的は曲げ試驗と疲勞試驗である.15kg軌條熔接部へ荷重をかけスパン500mmとした場合26tの荷重に耐へ非熔接軌條との差は認められない程度である.Roling Fatigue Testはスパン500mm,ストローク300mm,Wbeel Load 2t, 1 stroke/1 secの速度で試驗せしに4.65×106繰返數にて試驗機の各部が疲勞限度を超へ破損したので試験は止むなく中止した.
本結果は實用的試験の最も重要視すべき部門であり恐らく までは充分耐へ得た様に考へる.熔接部の電気抵抗は餘り 化なきものである.
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© 一般社団法人 溶接学会
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