1965 年 2 巻 p. 10-18
東シナ海にて,1753年10月より1964年7月までにトロール網,機船底びき網,ドレッヂで採集した"エンコウガニ"につき,成長に伴うはさみ脚の変化を調べ,つぎのような結果を得た。1.甲長と甲幅との関係は雌では全体長範囲について直線的であるが雄では甲長50mm附近に屈折点をもつ上向きの折線となっている。掌節長とはさみ脚の長節長との関係は雌雄ともにそれぞれ直線的だった。2.甲長と掌節長および甲長と長節長との関係は,雌ではそれぞれ直線的であった。雄では甲長40〜45mm附近を屈折点とする上向きの折線で示され,甲長40〜45mm以上に成長すると掌節および長節が急速に伸びることが認められた。終りに,終始ご指導をたまわり,さらにご校閲下さった西海区水産研所海洋部第二研究室長青山恒雄博士ならびに調査に御協力下さった方々に深謝の意を表する。