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ワイブル分布に従うn個の独立な観測データ{T_i}をワイブル確率紙にプロットして適合直線を求め、形状母数mと尺度母数cを推定する要領で、横座標X_i=logT_iに対応する縦座標をY_i=m(X_i-θ)(θ=logc)とし、更に、y_i=log[-log(1-i/(n+1))]=m(x_i-θ)によって(x_i, y_i)を定義し, 4点(x_i, y_i), (X_i, y_i), (X_i, Y_i), (x_i, Y_i)によって決まる長方形の'一般化した面積'をS_<ip>≡|X_i-x_i|^p|Y_i-y_i|^q(p+q=2; p, q≥0)とする。本研究では, この和S_<1p>+S_<2p>+…+S_<np>を最小にするmとcの値m^^^∿_pとc^^^∿_pを求め, 次に値m^^^∿_pのmに対する偏りを近似的に修正した推定量m^^^≈_pのmに対する平均2乗誤差を近似的に評価し, その値を, m^^^≈_pの偏りが一定値以下という条件下で, 最小にするpの値p^*を持つ推定量を最終的なmの推定量m^^^≈とし, 同様にcの推定量c^^^≈を求める方法を提案する。この方法は, 特に小標本に対して精度上非常に優れていることが明らかにされている。