抄録
防衛省では、開発や量産への着手等の結節点における費用(LCC)対効果の判断を踏まえた意思決定、また、コスト面に係る説明責任の強化を行うため、各種装備品のライフサイクルコスト(以下、「LCC」という。)の算定を実施している。LCCの算定において最も重要となるのが、LCC算定の基準となるコストモデルを構築することである。コストモデルは、陸上車両、航空機等装備品の分野ごとに構造が異なるため、それらの分野ごとにコストモデルを構築する必要がある。ここでは、平成21年度にLCCを算定した新戦車(図1参照)について、算定の考え方を説明し、さらに、米国の装軌車両のコストモデルとの比較を行う。