抄録
近年NANDフラッシュメモリ(以下FM)の平均エラービット発生率(以下RBER)は,微細化の進展により増加している.またRBERは,書き換えによる劣化や書き換え間隔により変化する.このため,実利用条件におけるRBERのばらつきを再現する劣化実験には,年単位の期間が必要となる.実験期間を短縮するために,本発表では,RBERのばらつきを,書き換え間隔とデータ保持期間を変数とした分布関数にてモデル化し,実利用条件におけるRBERのばらつきを外挿する手法を提案する.上記手法の評価として,本発表では,書き換え間隔とデータ保持期間を共に1.3倍外挿してばらつき外挿値を作成し,同条件の実験結果と比較した.比較として適合度検定を行い,有意水準5%にて「ばらつき外挿値と実験結果が適合している」という仮説が棄却されない結果を得た.