宗教と社会
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ヒンドゥー・ナショナリズム運動における身体のポリティクス : RSS(民族奉仕団)のシャーカーをめぐって
中島 岳志
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2002 年 8 巻 p. 59-77

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抄録

本稿においては、現代インドにおけるヒンドゥー・ナショナリズム運動を牽引する最大の団体であるRSS(民族奉仕団)の理念とその末端活動であるシャーカーを分析する。RSSのイデオローグは現代インドにおいて「ダルマ」の重要性を説き、個々人がそれぞれの役割を果すことによって宇宙全体が機能するとする有機体論的社会観を提示するが、そこで提示される「ダルマ」は、あるべき「国民規範」に読み替えられているために、国民が国家に対して奉仕することこそが義務であるとするイデオロギーに回収されてしまっている。また、RSSが活動の中心と位置付けるシャーカーにおいては、メンバーの身体を均質で規律化された動員可能な「国民としてふさわしい身体」へと転換していくことが意図されている。現代インドにおける民衆の宗教復興的心性は、このようなRSSの活動によって巧みにヒンドゥー・ナショナリズムへと回収されている。

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