Review of Polarography
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半導体界面での電気二重層 Part 1
山本 雅博
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2023 年 69 巻 1 号 p. 21-32

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抄録

 ポーラログラフィスト,電気化学者にとっては,金属を電極とした固|液界面,液(水銀)|液界面の電気化学については非常になじみ深いが,固体が金属から電気伝導度が何桁も減少する半導体に置き換わると,その界面での電気化学は半導体物性に詳しくないこともあり,よくわからないという人が多いのかもしれない。一方で,光電気化学の分野では電極材料に半導体を使うことで光励起による電子-正孔のキャリア生成をつかって興味ある特性を示す多くのデバイスが提案されている。また,全固体電池の固体と固体の界面は半導体|半導体界面,金属|半導体界面であり,この界面に発生した電位差がリチウムイオンの伝導に大きな影響を与えることが示唆されている。[1]

 本シリーズでは,全文を4部にわけて報告する。Part Iでは半導体の基礎,Part IIでは半導体中のポアソンボルツマン式,Part IIIでは半導体|電解質溶液の電気二重層,Part IVでは金属|半導体界面の電気二重層,について記述する。

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© 2023 日本ポーラログラフ学会
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