日本臨床外科医学会雑誌
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先天性大動脈狭窄症23例の外科経験
浅井 康文山田 修山口 保山岸 真理上田 睦安倍 十三夫小松 作蔵
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1983 年 44 巻 2 号 p. 132-138

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抄録
過去22年間に,先天性大動脈狭窄症23例の外科治療を経験した.
1) 大動脈弁上狭窄症は4例で,すべて砂時計型であった.全例に人工布によるパッチ拡大術を行った. 1例に大動脈弁上狭窄の解除が不充分なため,術後高度の溶血が生じたが,種々の保存的療法により,術後1年7カ月の現在,正常生活を送っている.他の3例は,術後19年を筆頭に経過良好である. 2) 大動脈弁狭窄症は,原則として,左室・大動脈圧較差50mmHg以上が適応となり, 16例に手術を施行した.直視下交連切開術を14例,弁の荒廃のひどい2例に大動脈弁置換術を行なった.術後の大動脈弁閉鎖不全は2例がSellers 1度, 1例がII度であった.大動脈弁置換を行った1例を,抗凝血薬療法の不備による冠動脈塞栓にて失った.他の17例は若干圧較差を残している症例はあるも,経過良好である.
3) 大動脈弁下狭窄は3例で, 1例はKelly I型(discrete型)の21歳男性で,経大動脈的に弁下線維輪の切除と筋性線維組織を除去し,術後圧較差は110mmHgより50mmHgとなったが,術後7年6カ月,易疲労性などのため精査予定である.他の2例は13歳および6歳の特発性肥厚性大動脈弁下狭窄で, 13歳は心室中隔のmyotomy後15年で経過良好である. 6歳例は感染性心内膜炎よりの心不全で7年目に失った.
以上の教室の症例を中心に,大動脈狭窄症について, 2~3の考察を行った.
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