日本臨床外科医学会雑誌
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乳癌および腹部悪性多発性神経鞘腫を合併したRecklinghausen病の1例
具 栄作川村 展弘竹下 公夫長田 信洋
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1983 年 44 巻 3 号 p. 253-257

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抄録

Recklinghausen病に腹部多発性神経鞘腫,乳癌を合併した1例を報告する.症例は50歳女性,イレウス症状にて来院.胸背部を中心にして大小さまざまのcafé au lait spotと神経線維腫をみとめた.腹部所見では左下腹部に超手拳大の腫瘤を触知し,手術でこの腫瘤のほかに腸間膜,壁側腹膜に多数の小腫瘤が見い出された.病理組織学的には主腫瘤を含めて全て良性の神経鞘腫であった.乳癌の合併もあり定型的乳房切断術を行った.腋窩リンパ節陽性の髄様性管癌であった.初回手術後1年3ヵ月後再び腹部腫瘤に気付き再手術を行った.前回と同様の易出血性,実質が軟かくカプセルを有する手拳大の腫瘤であり,さらに腹膜各所に多発した腫瘤を摘出した.これらは前回とは異なり組織学的には明らかに悪性像を呈し,神経原性肉腫-悪性神経鞘腫-と診断した. Recklinghausen病の神経原性腫瘍の多発およびその悪性化,癌の合併はときどき報告されているが,その典型例と思われた.

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