抄録
出血性心外膜炎には原因不明で良性な経過をたどる特発性出血性心外膜炎や,原発性あるいは転移性癌性心外膜炎がある.
この度,出血性心外膜炎の3症例に遭遇,副腎皮質ホルモン等による薬物療法に抵抗を示すということで,心外膜切除,心嚢腔-胸腔開窓術を施行し,術後比較的早期に症状の改善を得た.しかし,この内2症例を各々悪性リンパ腫にて術後1年9カ月目,悪性神経鞘腫にて術後3カ月目に失った.いずれの症例も,初回手術時肉眼的には悪性腫瘍が疑われたが,病理組織学的には悪性腫瘍の診断は下されなかった.他の1例は特発性心外膜炎で術後4年再発もなく元気に生活している.
以上のことから,出血性心外膜炎においては,心外膜切除,心嚢腔-胸腔開窓術後良好のようにみえても,術後の厳密な経過観察が必要であろうかと考えられた.