日本臨床外科医学会雑誌
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肝内結石症の検討-特にコレステロール系結石例について-
嶋田 紘新本 修一福島 弥松葉 明関 弘明礒部 芳彰木下 元小島 靖彦三輪 晃一中川原 儀三仲野 明呉 宏幸小林 衛土屋 周二
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1985 年 46 巻 4 号 p. 442-448

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抄録

肝内結石症の結石分析を赤外線吸収スペクトル法で行った.コレステロールを70%以上含むコレステロール結石は肝内結石49例中11例あった.結石の所在部位,胆嚢結石や胆嚢炎合併の有無,胆嚢管拡張の有無から4例が肝内で生成された「原発性コレステロール肝内結石症」と考えられた. 4例のうち1例は44歳,女性で肝内胆管の合流様式が正常で外側下行枝の限局性の拡張胆管内に結石を認めた症例である.他の3例は平均年齢が33歳,男性2,女性1で肝内胆管の合流様式が大藤分類のIV型を示し,その合流部より末梢の拡張胆管に結石を認めた症例である.他の報告例の検討から前者の症例は「原発性コレステロール肝内結石症」の典型例と思われた.

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