抄録
肝門部胆管癌は早期発見が難しく,発見されたときには切除不能である事が多い.血管造影では超選択的造影を行い,これに胆道造影を使用し,切除不能因子の一つである肝門部癌の壁外浸潤度を検討した.
対象は1981年から1986年までの6年間に群馬大学第1外科に於て経験した10例で, 6例は切除不能であった.これら切除不能症例は,血管造影に於て全例に右肝動脈の異常を認め,胆管周囲の他の中動脈にも高率に異常を認めた.門脈にも切除不能症例では高率に異常所見を認めた.胆管周囲動脈叢の異常所見は,超選択的造影と胆道造影の併用でより詳細にその所見を判読できた.早期胆道癌の発見手段としてもこれらの異常所見と中動脈の所見とを併わせて検討すれば,有用な検査となる可能性がある.