日本臨床外科医学会雑誌
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術前の注腸検査で診断しえた虫垂憩室の1例
鳴海 賢二塩見 精朗佐藤 浩一矢吹 清隆前川 武男渡部 洋三榊原 宣丹野 正隆
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キーワード: 虫垂憩室
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1988 年 49 巻 4 号 p. 673-677

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抄録
虫垂憩室は欧米ではKelynack1)によりはじめて報告されて以来,多数の報告例があるが,本邦では比較的まれな疾患である.今回われわれは,食道癌患者で,術前のX線注腸検査により発見された虫垂憩室の1例を経験したので報告する.症例は52歳男性.主訴は食物つかえ感で,虫垂に関する訴えはなかった.入院後, X線注腸検査を施行したところ,盲腸から上行結腸にかけて多数の憩室が認められ,虫垂にも6個の憩室が認められた.食道癌,虫垂憩室および結腸憩室の診断をえた.虫垂憩室は,穿孔を合併する頻度が高く,欧米では30~66.7%,本邦報告例では20%である.本症例は,食道癌患者であったが,術後の腸内容の停滞,腸内圧の上昇などによる憩室炎の併発,穿孔の危険性を考慮し,食道癌手術時に虫垂合併切除を施行し,術後良好な経過をえた.
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