日本臨床外科医学会雑誌
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非機能性副腎皮質腺腫の1手術例
国崎 主税杉山 貢土屋 周二
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1990 年 51 巻 5 号 p. 1080-1085

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抄録

内分泌非活性非機能性副腎皮質腺腫は,診断に困難を要する疾患であるが,最近診断技術の向上により臨床報告例は増加してきた.
今回の症例は50歳の女性で,右季肋部痛と発熱を繰り返し入院となり精査をうけた.
腹部単純X線像には,異常陰髪はなく腹部CTにより両側性の副腎腫瘍が認められた.
また,各種ホルモン活性に異常は認められなかった.
内分泌非活性非機能性副腎腫瘍と診断し摘出した.病理組織学的には,良性の副腎皮質腺腫であった.
本疾患は,1961年に林らが報告して以来21例が報告されており本症例は第22例と考えられる.また,その定義は臨床的に症状がなく,かつ血中,尿中においてsteroidの増加の認めないものとされている.したがって生前に発見される症例は少なく,稀とされているので文献的考察を加えて報告した.

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