日本臨床外科医学会雑誌
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上部胆管コレステリン系縫合糸結石の1例
梅田 朋子大澤 二郎中西 正樹野中 雅彦田中 誠岡 浩澤辺 保範田中 文恵篠田 正昭
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1991 年 52 巻 2 号 p. 430-433

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抄録

上部胆管に発生したコレステリン系縫合糸結石の1例を経験した.症例は66歳,女性.主訴は,右季肋部不快感.既往歴は, 20年前胆石症の診断のもと,胆嚢摘出術を施行された.精査にて,胆管腫瘍を否定できず手術を施行した.総胆管切開し,胆道鏡にて直径約12mmの黄褐色の結石を認め載石した.その中心より,結び目をもつ絹糸を採取した.再発結石の内,縫合糸結石の率は高く,胆嚢管及び胆道周囲の結紮における非吸収性縫合糸が原因であると考えられる.再発結石を予防する意味でも,それらの結紮には,吸収性縫合糸を使用すべきである.

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