日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
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肝硬変合併肝細胞癌に対する肝切除後早期の肝不全に影響する因子
柚木 正行三村 久浜崎 啓介柏野 博正津下 宏岡林 孝弘Kunzo ORITA
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1991 年 52 巻 7 号 p. 1474-1478

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抄録

肝硬変合併肝細胞癌に対して肝切除を施行した137例について術後早期肝不全と,術前肝機能,肝切除範囲,術中出血量との関係について検討した.術後1カ月以内に肝不全を発生した症例は13例であり,術前KICG,肝切除範囲,術中出血量が肝不全の発生と関連していた.術前KICG値が0.1以下, 2区域以上の肝切除,術中出血量が3,000ml以上になると肝不全の発生率が高かった.術前KICG,肝切除範囲,術中出血量の各因子にスコアを与えるとその総和(判別値)は術後の肝不全の予測,手術適応および手術術式の決定の指標として有用であった.

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