日本臨床外科医学会雑誌
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胃切除後に発症したシラタキコンニャクによる食餌性イレウスの1例
大辻 英吾菊岡 範一辻本 洋行桑田 克也中村 隆一菅 啓祐
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1993 年 54 巻 4 号 p. 991-994

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抄録

22年前に胃潰瘍のために胃切除術を受けて, BillrothII法により再建された既往歴を持つ54歳の女性が,シラタキコンニャクによる食餌性イレウスを発症した.夕食にシラタキコンニャクを食べ,その翌朝から嘔気,嘔吐と共に上腹部に激しい痔痛を訴えて来院した.腹部レントゲン検査で鏡面像を伴う小腸ガスを認め,癒着性イレウスと診断した.保存的治療では改善しなかったため,開腹術を行ったところ,回腸末端より約210cmの小腸に閉塞物である食物塊が透見された.腸切開を施行して食物塊を摘出したところ,前日の夕食に食べたシラタキコンニャクが一塊となっていた.食餌性イレウスの原因となる食物には,柿,昆布,コンニャク,オレンジなどがあり,特に胃切除後の患者に多いと報告されている.イレウス状態の胃切除後患者の診察にあたっては,食ぺ物に関する問診が重要であると考えられた.

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