日本臨床外科医学会雑誌
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プール消毒剤誤飲による頸部食道穿孔から縦隔炎を併発した1小児例
宮内 隆行松村 長生江川 善康大塩 猛人石橋 広樹堀家 一哉
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1994 年 55 巻 1 号 p. 77-82

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抄録

最近,われわれはプール消毒剤誤飲による頸部食道穿孔から縦隔炎を併発した1小児例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
症例は12歳,女児.主訴は呼吸困難. 1992年7月24日水泳中,プール消毒剤(次亜塩素酸カルシウム錠剤)を誤飲し,呼吸困難が出現したため,当科紹介となった.食道造影で頸部食道穿孔から気縦隔および縦隔炎を併発したと診断され手術を施行した.頸部食道に径1.5cmの穿孔を認めた.穿孔部の一期的修復と左後縦隔ドレナージ,両側傍食道ドレナージを施行した.術後,右縦隔炎が増悪し,受傷後17日目に再手術を施行したがドレナージは不十分であった.受傷後27日目に食道内Tチューブドレナージ,デューブルドレーンによる右後縦隔,傍食道ドレナージを施行し,イソジン持続洗浄により炎症は消退した.

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