日本臨床外科医学会雑誌
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嚢胞内乳癌の臨床病理像
山下 晃徳吉本 賢隆岩瀬 拓士渡辺 進霞 富士雄
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1994 年 55 巻 11 号 p. 2726-2731

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抄録
われわれは嚢胞内乳癌の臨床病理学的特徴をあきらかにする目的で,嚢胞内乳癌と嚢胞内乳頭腫の鑑別診断の可能性,嚢胞内乳癌の嚢胞周囲の乳管内進展を含めた病理組織学的特徴について検討した.
嚢胞内乳癌と嚢胞内乳頭腫との鑑別の可能性は,嚢胞内乳癌31例,嚢胞内乳頭腫23例を年齢,腫瘍径,超音波像などについて比較してみた.嚢胞内乳癌の乳管内進展については, 5mm幅の全割病理組織切片を作成して,癌の広がりをマッピングした.
嚢胞内乳癌は嚢胞内乳頭腫に比べ高齢者に多く, 60歳以上の嚢胞内腫瘍は癌である場合が多かった.また超音波像での両者の鑑別には,嚢胞内の腫瘤の辺縁の形状が大切で,辺縁の不整なものは癌に多いことが分かった.
また嚢胞内乳癌は非浸潤癌が多く,腋窩リンパ節への転移も少ないが,乳管内の進展についてみると,約4割の症例が嚢胞壁より2cm以上乳管内を進展していた.
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