日本臨床外科医学会雑誌
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壁外性に発育した胃原発の巨大神経原性腫瘍の1例
木村 哲也堀内 哲也森岡 浩一千葉 幸夫村岡 隆介今村 好章斉藤 孝
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1994 年 55 巻 11 号 p. 2828-2831

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抄録

胃原発の神経原性腫瘍はまれであるが,今回,胃壁外性に発育する巨大な悪性神経鞘腫の1例を経験した.患者は72歳女性で,上気道炎症状を主訴に受診した際,巨大な腹部腫瘤を発見された.入院時の血液・生化学検査はCA12-5が110U/mlと軽度の高値をとった以外は正常であった.画像検査では,腹腔内に隔壁を有する低密度部分と高密度部分からなるの巨大な腫瘍を認めたが,確定診断は困難であった.開腹所見では腫瘍は,嚢腫様,表面平滑,小児頭大で胃体部大轡側の漿膜の一部より胃外性に発生しており,胃を模状切除し,腫瘍を摘出した.摘出した腫瘤は,15×12×11cmで950g重で,免疫学組織学的に, S-100蛋白, Vimentinが弱陽性, Desmin染色が陰性で,神経原性腫瘍,とくに悪性神経鞘腫が疑われた.

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