日本臨床外科医学会雑誌
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Ovarian immature teratomaの横隔膜転移巣においてretroconversionの認められた1例
薬師寺 浩之宮崎 耕治馬島 英明久次 武晴笹富 英三郎
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キーワード: 卵巣腫瘍
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1994 年 55 巻 7 号 p. 1771-1774

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抄録

ovarianimmatureteratomaが横隔膜転移巣において成熟化,いわゆるretroconver-sionを示した1症例を経験した.
症例は, 12歳女児, 1986年1月20日,当科にて左卵管卵巣切除術を施行し,病理組織学的にovarian immature teratoma (Grade 2) で,術後, Vincristine, Actinomycin D, Cyclophosphamide併用療法を行った.経過観察中の1990年12月25日,腹部超音波検査にて転移病変を認め, 1991年3月11日手術を施行した.病変は横隔膜に播種性転移したもので,大きさは7.0×5.0×3,0cmで,病理組織学的には, matureteratoma (GradeO) の所見であった.術後2年2カ月経過した現在,再発の徴候を認めていない.
ovarian immature teratomaにおけるretroconversionは稀で,興味深い現象であるので,文献的考察を加えて報告する.

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