日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
脾転移を認めた肺癌の1例
大宮 英泰古形 宗久大草 世雄岩本 慈能日置 紘士郎青山 正人梅本 真三夫斉藤 幸人今村 洋二
著者情報
キーワード: 肺巨細胞癌, 脾転移
ジャーナル フリー

1994 年 55 巻 8 号 p. 2018-2021

詳細
抄録

原発性肺癌術後に脾転移及び小腸転移をきたした1例を経験した.
症例は70歳男性, 1992年6月3日右S3原発の肺巨細胞癌にて右上葉切除及び縦隔郭清術が施行された.同年9月初旬から嘔気,嘔吐が出現し,腹部X線写真にて鏡面形成を認めたため,イレウスの診断で当科入院となった.腹部CTでは脾臓に直径約5cmの低吸収域が見られ,脾転移が疑われたため摘脾術を施行,また空腸転移も認めたため空腸切除術も行った.腫瘍の組織学的所見では脾,空腸ともに巨細胞癌の像が得られ,肺癌の脾転移及び空腸転移と診断した.
原発性肺癌の臨床経過中に脾転移が発見された例はきわめてまれであるので報告した.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top