日本臨床外科医学会雑誌
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十二指腸カルチノイドの手術経験
真次 康弘田中 恒夫小出 圭岡島 正純小野 栄治八幡 浩浅原 利正福田 康彦土肥 雪彦
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キーワード: カルチノイド, 十二指腸
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1995 年 56 巻 5 号 p. 994-998

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抄録

4例の十二指腸カルチノイドを経験したので術式選択について文献的考察を加えて報告する.症例1:53歳女性.過形成性ポリープの術前診断で十二指腸部分切除を行った.術後経過は良好である.症例2:47歳男性. Zollinger-Ellison症候群の術前診断で膵頭十二指腸切除を行った.リンパ節転移を認め現在生存中であるが肝転移を認めている.症例3:51歳男性.十二指腸ポリープの術前診断で十二指腸部分切除を行った.リンパ節転移を認め経過観察中である.症例4:69歳男性.十二指腸カルチノイドの術前診断で十二指腸部分切除を行った.術後経過は順調である.自験例4例を含めた89例の腫瘍径,深達度と転移の関係を調べた結果,腫瘍径20mm以上もしくは深達度pm以上では転移は著増し膵頭十二指腸切除を行うべきであると考えられた.また局所切除においても十二指腸授動を行いリンパ節転移を確認すべきであると考えられた.

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