日本臨床外科医学会雑誌
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胃hepatoid adenocarcinomaの1例
福田 直人春日井 尚大滝 修司宮島 伸宜丸野 要加納 宣康山川 達郎水口 國男
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キーワード: 胃癌
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1996 年 57 巻 3 号 p. 584-587

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抄録

症例は77歳の男性で食欲不振,嘔気を主訴に入院.胃X線検査および内視鏡検査で幽門前庭部に結節状の腫瘤とそれに伴う幽門狭窄が認められた.生検の結果はGroup V(中分化腺癌)であり,また血清AFP値が4,232ng/mlと高値であった.開腹所見では腫瘍は幽門前庭部原発のボルマン I型で,大きさ6×4.5×3cm,さらに十二指腸球部に一部浸潤していた.しかし遠隔転移は認められず,胃亜全摘術, D2郭清が施行された.組織検査ではtrabecular patternがみられ,また免疫組織染色によりAFP陽性細胞が認められたため典型的な胃hepatoid adenocarcinomaと考えられた.本例につき文献的考察を加え報告した.

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