日本臨床外科医学会雑誌
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閉腹操作におけるMaxon®連続縫合と絹糸の結節縫合の比較検討
内山 正一今井 茂有田 淳南部 弘太郎
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キーワード: 結節縫合, 連続縫合, 絹糸
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1997 年 58 巻 10 号 p. 2254-2258

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抄録

閉腹操作についてMaxon®糸による連続縫合91例と絹糸結節縫合63例の術後創部合併症について比較検討した. Maxon®連続縫合と絹糸の結節縫合の早期の創〓開(1.1%, 0%)および創感染(9.9%, 9.5%)に有意差は認められなかった.術後4週間目以降の縫合糸膿瘍の発生はMaxon®連続縫合は2.2%で絹糸の結節縫合の14.3%に比べ有意に少なかった.術後1年目以降の晩期合併症の評価では,創痛はMaxon®連続縫合は5.7%であり絹糸の結節縫合の22.2%に比べ有意に少なかった.創部の突っ張り感(4.3%, 5.60%)および腹壁瘢痕ヘルニア(7.1%, 2.8%)の発生は両群間に有意差はみられなかった.今回の検討によりMaxon®連続縫合は絹糸の結節縫合に比べ創痛,縫合糸膿瘍の発生が少なく,絹糸の結節縫合と比べ遜色無く安全に行えると考える.

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