森林・林業業基本法では、「多様な担い手」を措定し、その数は限られたものに過ぎないにも拘らず、都市生活をしてきた新規就労者に対しても一定の期待を寄せている。しかし、これまでその質的な意義について、十分に論じられてきたとはいいがたい。本稿では、FSCなど森林認証にみられる動きを、消費者の「知識」に対する需要の存在と捉え、国内の林業生産者に対しても「知識経営」に向けた対応の必要性があることを示した。特に、国内市場では、消費者との間のローカルな「場」に関する「知識」の共有関係を緊密にする取り組みが有効だと思われる。そのために解決されるべき課題も多いが、新規就労者の存在とその活用はその解消に向けた可能性をもっていると考えられる。