森林所有者が林業経営への意欲を失う中、森林管理の担い手として期待されるのが、森林組合である。森林組合を森林管理の担い手として見た場合、その担い手像としては、現場作業を担う現業従業員のみならず、それ以外の森林管理に関わる職務を担当する内勤従業員を含めた全体を捉える必要がある。本研究では、森林管理の担い手としての森林組合像に迫るため、これまで光の当たらなかった内勤従業員の職務と待遇をアンケート調査によって探った。その結果、1)森林組合では課長以下の内勤従業員が現場での森林調査や現場監督など、森林管理に関わり重要な役割を担う立場にあることが明らかとなり、また、2)現業従業員と内勤従業員の分業が民間事業体と比べてより明確であること、現業・内勤従業員の賃金カーブ間には少なからぬ格差があることから、両者の間に経験、情報、立場の違いが横たわっていることが推察された。