林業経済
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日本における製紙産業の立地調整と広葉樹材原料選択要因(原著論文)
印刷情報用紙を事例として
早舩 真智 立花 敏
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2016 年 68 巻 12 号 p. 1-15

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抄録

本研究では、日本の紙・板紙製品の中でも生産量が多く、広葉樹材チップ消費量の大半を占める印刷情報用紙製造業における各企業・地域の特徴・差異を把握した上で、1990~2013年を対象に印刷情報用紙工場の立地調整過程と原料選択要因について解明することを目的とし、研究手法には統計データ分析、既往文献調査、聞き取り調査を用いた。その結果、製紙企業の立地調整では、印刷情報用紙生産量の上位5企業グループの現存工場での変化には地域と程度に差異がある一方で、関東での撤退、近畿での縮小傾向が共通してみられた。各製紙企業が地理的、設備的に不採算地の縮小・撤退と有利な工場への生産集約を進め、印刷情報用紙生産が大消費地に対して一定の地理的バランスを持った立地に収斂してきたことが明らかとなった。また、原料選択要因は、価格や品質のみならず、各製紙企業による国内外での原料調達のための取引特定的投資戦略の歴史的な差異を反映していた。

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© 2016 一般財団法人 林業経済研究所
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