我が国素材市場の短期変動を解明する目的で、宮崎県におけるスギ製材用素材市場を対象に2005年から2013年の108か月の月次データを用いて素材需給関数を推定した。その結果、価格弾力性は需要が0.301、供給が0.566といずれも非弾力的と推定され、価格変動が大きくなる要因と考えられた。需給曲線のシフトについては、両者のシフトは季節的に似通ったパターンを持ち、強い相関(相関係数0.697)のあることが明らかになった。 需給双方が同様の季節パターンを持つことで、結果的に市況の安定が図られている部分があると考えられた。ただし、需要曲線のシフトの方がやや大きく、またその分市況変動への影響が大きいことも見出された。