抄録
ドイツの教育制度は中等教育で大きく三つの流れに分かれる。それらはそれぞれさらなる上位の教育課程へ接続し、その学歴が就業時の職種と深い関わりを持つ。現場作業者の育成のためには、専門学校での理論学習と事業体での実務研修を両輪とする、いわゆるデュアルシステムがある。これは部分的な技術指導にとどまらない、個人としての職業人を育成する課程であり、修了試験を経て林業作業士(Forstwirt)という資格を得ることができる。他方、事業経営者の育成のためには、高等教育での教育課程があり、そこを卒業して得られる学位は、州有林や自治体有林などの経営に関わる者に必須となっている。ドイツでの人材育成に多様な学校・研修所・事業体が関わり、その結果、林業が自立可能・持続可能な産業となっているのは、林業が特別扱いされているからではなく、ドイツの教育制度そのものに支えられていることによる。