抄録
本研究では、権利者ルールおよび集団規模と人工林率との間の関係を調べた。分析には、2000年農林業センサスの慣行共有事業体に関するミクロデータを利用した。分析方法として、まず、4タイプの権利保有者ルールごと、ならびに集団規模階層ごとに人工林率のヒストグラムを作成した。次いで、3値の多項ロジスティック回帰モデルを用いて、人工林率とこれらの要因との関係を評価した。その結果、集団規模が大きいほど人工林率が高いことが明らかになった。また、新規加入不可かつ離村失権しないという権利者ルール(持分権型)の場合に、人工林率が低いことが分かった。大規模集団ほど人工林率が高い理由としては、造林に必要な労働力の調達が比較的容易であることが考えられる。また、持分権型を採用した集団の多くでは、資源とルールの両方に対するメンバーの関心が低下していたものと考えられる。