抄録
地方自治体の林業政策にとって、素材生産量の増大を図ることが重要な課題の1つである。このため本研究では全国で素材生産量が増加した2010年以降の都道府県別パネルデータを用いて、素材生産量を目的変数とし、林業労働力、路網整備状況、高性能林業機械、施業集約化指標、森林資源量の5つを説明変数として、地域間の構造差及び時系列変化を考慮した統計モデルにより、素材生産量と関係する生産要素を検証した。その結果、高性能林業機械の効果が比較的大きく、主伐が進む近年において特に大きくなっていることが示唆された。素材生産量を増大させるための高性能林業機械の導入施策を進めるにあたって、林内路網の質的向上の必要性、事業者の費用負担への配慮の必要性、持続可能性への配慮の必要性について考察した。