本稿では,2009年から2011年の2年間に2冊の語学教科書を作成するにあたり独自に採用した方法論とその結果について述べる。「実践コミュニティcommunity of practice」の考え方に従い,著者以外の複数の教員の授業経験に基づいた実践的知識を集積し,本教科書を製作する過程でその集積による効果を最大限に活用した。本教科書を使用した語学教育の効率性と効果を向上させることを目的として,この独自の方法論を用いることで,日本人教員とネイティブ教員によるフランス語教育の特性をより的確に把握することが可能になった。