抄録
足尾鉱業所における浮選法採用の歴史は古く、大正4年小滝選鉱工場における浮選機採用に始まる。現在のFW #21に至る迄に多くの改変がなされた。SW浮選機の採用MS Sub A機の採用及びこれ等の廃止が行われて現在#21 FWの採用に至つている。当所におけるMS Sub A機は粗選機として、昭和30年迄強制空気吹込で行われ、SW機は再選、精選、清掃機に用ひられ、精選機は33年迄用いられたが、#21 FW精選機の設置により徹去された。これ等の浮選機にも多くの利点はあるが当所
(A) 旧系統
(B) 新系統
第1図 新旧設置図
の如く、粗粒単一浮選工場においては、#21FWの採用により設置面積の縮小、附属機械 (主にプロワー) の減少による#21 FW採用の利点は大きい。
#21FW採用以前の当所浮選系統は、鉱液の自然流下を助けるために、浮選地並を二段となし、繰返し、フロスの流送にポンプ地並を要した。FWの採用により、ポンプ台数の削減及び移転を行ふ事により、浮選系の集約が行われ、人員の減少がなされて現在に至つている。
浮選機の更新に当つて検討した事項、其の他に就いて述べたいと思う。