日本リモートセンシング学会誌
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印旛沼水面に繁茂したヒシの葉の密度の遠隔計測
石山 隆杉原 滋彦
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1994 年 14 巻 3 号 p. 251-257

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抄録

近年,印旛沼は初夏から初秋にかけて水性植物のヒシが繁殖し,葉が水面を覆うまでになった。
人工衛星画像でも,この繁殖の様子が明確で,沼全体におけるヒシの分布状態が分かる。上空から湖面を見た場合,葉が覆い重なり全く水面が現れないほど繁殖しているが,葉と葉の間に水面が存在するのが一般的である。従って,ヒシの繁殖域をリモートセンシングデータから推定する場合,解析方法によって異なる結果が生じても不思議ではない。すなわち,輝度の下限値を設定し,この下限値以上を示すピクセルはヒシが繁茂していると判断するのが普通であるが,この下限値によって繁茂しているかどうかの決定が異なる。そこで,これを防ぐためには,各ピクセルにおいてヒシの葉と水面との面積比(密度)を見積ることが大切である。そこでLANDSATTMの5バンドと7バンドの輝度値を用い,それらを演算することによってヒシの密度を見積った。その結果,現地観察した分布と合致していることが分かり,この方法の正当性を支持した。また,求めた密度分布より沼全体のヒシの葉の全被面積を計算した。
さらに,この方法を用いず,下限を設定する方法で沼全体のヒシ被覆面積を見積ったときの誤差について検討した。
下限値の設定によって,全被覆面積が大きく異なる可能性を指摘した。

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