抄録
インドネシア森林火災は,1997年にKalimantanとSumatera島の広い地域で起こり,その年の後半を通じて東南アジアの大気環境および気象条件に大きな影響を及ぼした。火災により様々な化学的物質と粒子が排出され,地域エアロゾルの光学特性が大きく変化した。われわれは,MODISのために開発されたアルゴリズムをNOAAのAVHRRの可視・近赤外チャンネルに応用した。この方法では,6Sを用いて予めルックアップテーブルを計算する。5種類の大粒子モード(Accumulation modes)と6種類の巨大粒子モード(Coarse modes)に基づき,2つの対数正規分布関数から成るエアロゾル粒径分布を構成した。1997年の10月8日―10月9日のNOAA14号のデータを分析した。2つの島の間の海上において,エアロゾルの光学的厚さと,全輝度値に対する大粒子の寄与ηを決定した。この両日間にエアロゾルの性質が激しく変化する様子が明らかになった。日平均の気象データとサンフォトメータのデータを用い結果の検証を行った。また,アマゾンの森林火災のエアロゾルモデルに基づく結果との比較を行った。