日本良導絡自律神経雑誌
Online ISSN : 1884-9237
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電気針( ハリ) 麻酔について
吉田 一次
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1973 年 18 巻 9 号 p. 189-205

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抄録

中国でハリ麻酔が報ぜられて,日本でも各研究者がその体験報告をされるようになった。筆者も1昨年来,このハリ(電気針)麻酔の経験を数次にわたり発表してきた。
電気針麻酔用のノイロメーターを考案し,1000サイクル,12ボルト,1~2mAの断続矩形波( 低周波) のものが至適であると思われた。主に小外科に用いたが,経絡の穴によるものは,求心性的に痛覚鈍麻が拡大進行するパターンを示し,上肢(合谷)のものは下肢(足三里,三陰交)のものより鈍麻は時間的に速く,下肢のものは麻酔がかかりにくいことがわかった。よって頸から上部(顔,頭)の手術に適しているように思われた。これに反し,神経直達法(反応良導点REPP)とTriggerpoint,伝達麻酔の方法では遠心性的に鈍麻がくるパターンを示し,麻酔が時間的に速い。また百会では,脊髄系(spinal system)に拡がるパターンを示した。

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