日本鍼灸良導絡医学会誌
Online ISSN : 1884-9253
Print ISSN : 0286-1631
ISSN-L : 0286-1631
自律神経良導絡診
M C V 図法による良導絡診の新しい観点
篠原 鼎
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 21 巻 1 号 p. 1-10

詳細
抄録

一目瞭然であり,かつ全く新しいMCV図法を容積脈波計に応用することにより,安静仰臥位と深呼吸負荷と立位負荷の,Mp-pとCVp-pのデータを,MCV図に記入すると,交感神経機能や副交感神経機能の,総合的な評価ができる.またMCV図法は,いろいろな負荷検査に対しても,使用できるものである。ただし,容積脈波計の測定条件は,心電図計よりも厳密にすることが大切である.過去においては,不定愁訴や自律神経失調症や心身症を,科学的に認識しにくかったが,MCV図法により可能になったと思われる。
さらに鍼灸療法や物理療法の配穴指針として使用する,良導絡診,AMI診,電絡八診において,Mp-pやCVp-pは,自律神経機能の基本的なスケールとして使える。
重要なことは,自律神経障害が進むと,循環器系や消化器系などに多種多様な症状を呈してくると言われている。したがって,新しい容積脈波計と従来のノイロメータを用いて,新しいMCV図と従来の良導絡チャートにより,健康状態を把握し,それに基づいて,鍼灸療法,手技療法,物理療法,神経ブロック療法,運動療法,温泉療法,漢方薬療法,自律訓練法,気功療法,スポーツ療法等を適切に行うことができると思われる。
これにより,自律神経良導絡診-MCV良導絡チャートーが確立された。

著者関連情報
© 日本良導絡自律神経学会
次の記事
feedback
Top