抄録
本研究は, 急勾配野渓に対する砂防構造物の設置に当り最も有効かつ適切な基準を定める為, 神通川上流足洗谷右支割谷を実験対象として昭和39年度より継続的に行なっているものである。
39年度には, 割谷上流部約600mに対しFroudeの相似律を適用して縮尺1/100の階段工に関する模型実験を行なったのであるが, この実験結果だけから砂防構部物設置の最も合理的な基準を出すには, 急勾配野渓特有の水理現象を深く探究してからではないと, はなはだ危険であるとの結論に到り40年度からは基礎的な研究を行なっている。
先ず40年度には, 急勾配渓流に設置された階段工上流部における終局的堆砂勾配に関する実験を行ない, その結果, 含砂率および流量と堆砂勾配について興味ある結果を得た。41年度は, 急勾配水路の清水流ならびに含砂流の平均流速式についての研究を行ない, また Wang 式の実験的検討を行なった。42年度は再び割谷中流部No. 4~No. 18区間の1/100の水理模型を作製し階段工に関する実験的研究を行なったのであるが, ここに41, 42年度の実験結果をとりまとめ諸賢の御批判を仰ぎたい次第である。