砂防学会誌
Online ISSN : 2187-4654
Print ISSN : 0286-8385
ISSN-L : 0286-8385
砂防ダム下流部における洗掘深さについて
均一粒径の場合
林 拙郎
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 26 巻 4 号 p. 10-19

詳細
抄録

洗掘の研究はSchoklitsch以来多くの研究者によって研究されているが,水クッションを伴う落下水脈による洗掘問題について,理論的な考察を進めたものとしては伏谷博士のものが第1にあげられる。
著者は伏谷博士の洗掘平衡と水クッションに関する概念を分析し,新たな水理学的成果を導入して,洗掘の平衡状態に関する力学的モデルを作製した。
この考え方の主要部分は,洗掘による平衡状態の概念について新たな定義を与え,水クッションによる貫入速度の減衰について従来の噴流の理論を拡張して,洗掘の底での砂礫の釣合方程式をたてたことであり,最終的な洗掘力の関数として洗掘深の無次元表示が,落下水脈の衝突力とその厚さに関する項を中心にした無次元表示で表わされるとしたことである。
実験を行なった結果では,かなり現象を説明することができ,いくつかの問題点が残されたのであるが,実用的な範囲内で理論の妥当性を検討することができた。

著者関連情報
© 社団法人砂防学会
前の記事 次の記事
feedback
Top