砂防学会誌
Online ISSN : 2187-4654
Print ISSN : 0286-8385
ISSN-L : 0286-8385
すべり面の位置とその形成仮説
中村 浩之
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 29 巻 3 号 p. 10-17

詳細
抄録

全国各地の地すべりのすべり面の位置について調査検討した結果,主として移動土塊が崩積土の地すべりでは4つのタイプがあり,風化岩の地すべりでは大別すると2つのタイプがあることがわかった。また地すべり地での地下水は土塊の色調が褐色系であるか,青色系であるかに密接な関係があるとともに褐色系層,青色系層の厚さが地すべりの運動特性と関連する。
次にすべり面の形成に関しては浸透水による土粒子の洗脱作用による粘土層の形成が非常に重要な役割をしているとともに,岩すべりにおいては透水性の良い岩層の下部に不透水性の凝灰岩,粘土質岩などの粘土化しやすい岩の存在がすべりを起させる大きな素因となっていることが考えられる。

著者関連情報
© 社団法人砂防学会
前の記事 次の記事
feedback
Top