砂防学会誌
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がけ崩れ発生と降雨の関係について
鈴木 雅一小橋 澄治
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1981 年 34 巻 2 号 p. 16-26

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抄録
がけ崩れを予知するための基礎的作業として, 既往の発生例から, がけ崩れ発生の降雨の限界条件を検討した。広島県呉市のがけ崩れ調査資料と建設省の「避難規準雨量調査」の広島県とその周辺県の資料による, がけ崩れ発生時刻と付近の観測点の時間雨量記録を基礎データとして用いた。
呉市の資料 (14年間, がけ崩れ件数2690件) の検討から, 半減期24時間実効雨量を危険度指標にとり, 限界値を55mmに設定すると, 全件数の96%が適中する結果を得た。この限界値設定を行なうと, 呉市の降雨条件では発生限界を越える期間が90時間/年, 日数にして7.3日/年だけ生ずる。そして, 発生限界を越えた期間5時間に1時間は実際にがけ崩れが発生するという結果を示した。また, タンクモデル貯留量も危険度指標として有効なことを示し, 実効雨量とタンク貯留量の危険度指標としての相互関係を述べた。呉市で発生したがけ崩れ件数の90%については, 年平均約90時間の危険期間を指摘することで発生する1~2時間前には危険期間の指摘がなされていたことになるという結果も得られた。
また, 広島県とその周辺の岡山, 山口, 島根, 愛媛の各県においても, 半減期24時間の実効雨量を危険度指標とし, 限界値を55mmに設定することで, がけ崩れ発生と良好な対応が得られることを示した。
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