抄録
Wash loadのような微細粒子は流水中で一様に分布し,流水に等しい速度で移動することから一洪水中に生産源から生産された微細粒子はその洪水中に流出する。すなわち,微細粒子の生産と流出は直接的で遅延がないので流域の土砂生産のパラメータとなることが考えられる。そこで,揖斐川水系の横山ダム上流域と九頭竜川水系の真名川ダム上流域で出水時に採水を行い,その中に含まれる微細粒子を計測した。その結果,次のようなことがらが導びかれた。
a 微細粒子の容積濃度(Cw)と比流量(Q/A)は次式の関係にある。
Cw=α・(Q/A)β (1<β<2)
b 微細粒子の流出特性,連続式からある点を通過する量は次のように表現される。
Qw(t)=E・aw・fw・(1-λ)……(11)
c 侵食速度(E)を導びくため,微細粒子の主たる生産源を,降雨時のみに表流水が発生するか流水の洗礼を受ける場を考え,(1)裸地・崩壊地,(2)0次谷(山ひだ),(3)1次谷以上の谷の側岸の3つの場とした結果,それぞれの侵食速度は次のようになる。
(1)E1=3.34×10-7・(Q/A)1.39……(14)
(2)E2=1.86×10-6・(Q/A)2.39……(15)
(3)E3=1.15×10-6・(Q/A)2.90……(16)
これらの式を用いて横山ダム,雲川ダム,笹生川ダムの微細粒子量の堆砂時系列の計算値と実績値はかなり整合が良く全体の傾向が表現できた。