2016 年 10 巻 1 号 p. 27-36
本研究は、閉じこもり高齢者に対し、外出に対する自己効力感を高める訪問型介入プログラムの有用性を検討することを目的とした。対象者は閉じこもり高齢者14人であった。プログラムの内容は、在宅保健師らによるロコトレの指導とそれに伴う外出目標の設定、外出に対する自信を高めるための言語的支援から構成された。事前事後評価を含め訪問回数は計4回、週1回の電話支援を基本とした。介入期間は約2か月間とし、事後評価から約3か月後にフォローアップ評価を行った。その結果、外出の自己効力感、老研式活動能力指標、開眼片足立ち時間において、有意な向上が認められ、フォローアップ時においても効果が持続していた。また、介入後には1人、フォローアップ時に1人の閉じこもり改善が確認された。本プログラムは、身体的機能に加え外出に対する自己効力感を高め、閉じこもり改善に有効である可能性が示唆された。