ベタ基礎, あるいは布基礎形式の場合, 地中バリの剛性が無限大でないこと, 柱荷重がそれぞれ異なることなどから, 基礎底面が平均的地盤反力分布にはならない。柱分担面積で柱荷重を基礎底面に分布させてみると, その値は柱位置によりまちまちであり, 地盤の許容耐力を超過する場所があることが多い。設計にあたって, この不均等応力の影響を考慮しておかないと不同沈下の原因となり、地中バリは不測の応力によりき裂を生じる。そこで基礎障害が生じないための地中バリの剛性をどのようにすれば適当かを知るために, 種々の仮定を設定し, ハリ剛性を変化させて, その影響を調べた。この試算の手法は, 地中バリの交点に集中荷重を与え, 地盤係数とハリ剛性を関数として, 荷重伝達量を検討したものである。なお, 地中バリを上部構造と切り離したことは, 計算の簡略化のためと, 実際の建物において不測力があった場合, これを上部構造の余力に依存する考えである。