2013 年 26 巻 2 号 p. 41-50
本稿は,下着の窃盗をした不登校の中学2年男子生徒との事例研究である。このクライエントは児童相談所から児童自立支援施設に処置され,その後にスクールカウンセラーに依頼された事例であった。面接開始時は訪問面接であったが,最後には学校での面接に至った。このクライエントは,主に音楽のイメージを用いて表現してきた。考察では,3点について考察した。1.音楽を通して表現されたもの,2.通路としての音楽と「橋をかける」機能としての音楽について,3.ClとThとの関係性について,である。