抄録
婦人科領域の手術症例に対してトラニラストを予防的に投与し, 術後瘢痕形成に対する予防効果について検討を行った. 1998年6月1日∼1999年5月31日に婦人科開腹術を施行し, 後術7日目よりトラニラストを投与した予防的投与群38例と, トラニラストの投与を行わなかった非投与群20例を対象とし, 術創部の瘢痕部位の「掻痒」, 「圧痛」, 「自発痛」, 「発赤」, 「硬結」, 「隆起」, 「増大傾向」の程度をprospectiveに解析を行った. 観察期間は術後4ヵ月間とした. 術後6週間後の「発赤」, 「硬結」, 「隆起」, 「増大傾向」および, 術後4ヵ月後の「隆起」, 「増大傾向」の所見は予防的投与群が非投与群と比較して有意に良好であった. 本研究により術後瘢痕形成に対するトラニラストの予防的投与の有用性が明らかにされた.